受験体験記 投稿者:もち

いちおー受験生応援サイトということで、僕の経験でも書きます・・
が、この文章はノンフィクションであり、登場する人物・団体は全て現実のものです。大変残念ながら。では、ひまな時間にどーぞ。



 死。

こんなにこの言葉を強く、そして現実的に思ったことはなかった。


しばしば、『受験戦争』という言葉を聞く。今の今まで自分はこの単語の意味を、


「人と人の戦い。戦いとは大げさかもしれないが、つまりは学力による戦い。

手に持つのは剣ではなく、シャーペン。違いはただそれだけ」

しかし、この解釈は大いに間違っていると今なら言える。

そう。死だ。

自分のような精神的に弱い人間はすぐに自分を見失い

死に追いやられる。諸君、残念ながら誇張ではない。

自分は、死を覚悟した。それは最初恐怖だった。この上もない恐怖。

笑うかもしれないが、その恐怖は今も拭えない。

死はいずれ来る。生きるものに対して全てに。

この思想に対して15の時にある答えを見出した。そして、それからはある意味安心し、僕は今まで考えなかった。


いや、考えたくなかった。


が、まさに『受験戦争』にかりだされた自分は嫌がおうにも考えざるを得なかった・・・

そして、得た答え・・・

残念ながら、未だにその答えは見つからない。今も不安の中。


しかし、不安なんてまだましなほうだ。

あの時の自分は・・受験戦争の時の自分は、この問いに対して考え、悩み、涙を流し・・


そして・・・次第に親しみを感じ始めた。


『どうやら、自分にも死というものがいつかやってくるらしい。』

なんて、諸君は思っているのではないだろうか?そんなあなたは幸せになれます。多分。

僕には死がいつか来るある程度遠い未来のこととは到底思えない。

明日死ぬかもしれないし、今この瞬間くたばるかもしれない。それなら本望じゃ、この野郎。


「そんなこと言って、君はこのくたばるかもしれない瞬間に明日の計画や一年後の自分に思いを馳せているのではないか?よくも考えてみろ!

お前だって百年後の自分なんて想像しないだろうが!

つまりは、明日死ぬなんて口で(手?指?)言ったって心の奥底は思っていないし、今この瞬間なんて全くのナンセンスだ!この馬鹿!!

お前はもう少し話がわかるやつだと思っていたのに・・今すぐ回線抜いて首吊って死ね!!

このDOMが!!!!!!」


・・・・諸君、諸君の憤りは理解できる。そう、確かにその言い分は否定できない。

でも、その前に私はDOMじゃない・・・いや話がそれたか・・本題に戻そう。

そうだな・・日記形式で諸君の理解を得よう。(いや絶対無理・・)



○月△日×曜日

いつか来る死。その恐怖に自分は飲みこまれた。いっそのこと全てを無に帰そうか・・・星に帰ろうか・・・

そう思い立つと学校の窓が天国につながる入り口に見えた。

四階といえども、そう高くはないな。でも頭からいったらどうなるだろう?

ぞくっと背筋が冷たくなる恐怖とともに、死に対する好奇心、親しみが一度に湧く。

廊下に目を逸らすとそこはなんてことはない日常。

窓だけが、それを壊す魔物のように見えた。

ぐっと鍵を開けて、魔物と対峙する。

風が自分を呼んでいる気がした。


ふと窓から目を逸らすと、友人が何やってんのこいつ?みたいな目で見ていた。

どうやら、まだ生に対するしがらみは捨てれそうもないな・・・

そうだ・・それに自分が死ぬときは宇宙が混沌に帰すときなのだ。

まだ死ねない・・まだ死ねない・・・・あは・・あははは・・



・・そう・・一つ言えるとしたら、生と死の狭間に自分は生きていたような気がする。

だから死に対して親しみを感じた。だから生に対するしがらみが捨てられなかった。

今は・・・生も死もどうでもいい。ただ、自分を見失った。戦争って恐ろしい。


これから受験を受ける受験生よ・・

どうか諸君たちは自分を見失わないように。

第一志望がダメでもそれならまだ救いがあるというもの。

こんな自分もまだ生きていますし。たぶん。

じさ(自主規制)・・しないように。僕がアドバイスできるのはこれだけです。